・ 種の形 ・ 発芽の様子 ・ 葉・茎 ・ 花 ・ 実 ・ 根 ・
ナス科に属する草本です。一年生として栽培されますが、寒さで枯れたりすることがなければ何年でも育つ多年性の植物です。植物学的には甘・辛トウガラシと同じ種に属します。トウガラシのなかで辛味のない種類をピーマンといいます。果実が緑色のあいだに収穫する緑色果のほか、果実を赤色や黄色に着色させてから収穫する品種もあります。
種子は扁平(へんぺい)で卵円形です。無胚乳種子(むはいにゅうしゅし)で、発芽に必要な養分は、子葉に蓄えられています。内部の形態はトマト、ナスと同じです。胚(はい)は丸くおさめられています。種皮をていねいに剥(む)いて分解すると2枚に分かれますが、これが子葉になります。未熟(みじゅく)種子や古い種子は光沢を失って黄褐色ですが、新鮮な成熟(せいじゅく)種子は黄色で光沢(こうたく)があります。
発芽適温は20〜30℃で、光があたると発芽しにくい性質(好暗性)があります。水分過剰(かじょう)で酸素不足のときも発芽が悪くなります。
発芽後、本葉10枚位までは、まっすぐ伸びます。10葉目位に1番花が着生します。花芽が分化すると、その両わきにえき芽が形成され、2〜3本の分枝として伸長(しんちょう)します。さらに分枝の1節目に花芽を形成して2本に分枝し、以後これを繰り返します。2本の分枝が同じ勢いで生育することは少なく、強勢の主枝と弱勢の側枝(そくし)が形成されます。 大果系品種は立性(たちせい)、小果系品種は開張性の草姿になります。
花は、1節に1個が普通ですが、複数つくこともあります。長花柱花(ちょうかちゅうか)、中花(ちゅうか)柱花、短花(たんか)柱花があります。長花柱花は結実しやすく、短花柱花は落花しやすい特徴があります。栄養状態が悪いときは短花柱花が多くなります。同じ節位の花はだいたい同じ日に開花します。
果実(かじつ)の肥大(ひだい)は種子(しゅし)の発育(はついく)とともにすすみ、開花後15〜20日で大きさが決まります。その後果皮がかたく濃緑色となり、さらに茶褐色から赤色果になって完熟(かんじゅく)します。ピーマンを含むトウガラシ類は、ほかのナス科の果実とはちがって子室内は空洞(くうどう)です。果実は種子が多いほど大きくなり、少ないと不完全肥大果(ふかんぜんひだいか)か石果(せきか)になりやすくなります。
ピーマンの根はナスと同じように縦に深く張り、酸素(さんそ)が多い環境を好みます。そのため、水分が多すぎたり通気性(つうきせい)が悪かったりすると生育が極端に悪くなり、長期収穫が難しくなります。