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コムギとの出会いコムギと文化コムギの先祖

 

コムギは、人間が最初に食料として育てた作物だと考えられています。その起源はどこにあり、どのようにして世界に広がっていったのでしょう。


今からおよそ1万年前(紀元前8000年)の新石器時代の頃に、西南アジア地方でコムギが栽培されるようになったといわれています。その当時の西アジアは氷河期が終わったばかりで、狩りの獲物となる動物も乏しい状況でした。そこで人々は実の付いた雑草、なかでも、十分な食料を得るためにできるだけ実の大きく、たくさんついた植物を食べるようになりました。その一つがコムギの祖先だったのです。


やがてコムギが種から栽培できることを知ると、人々は住みやすい場所に定住して農業を始めるようになります。人々が集まってきて食糧が不足すると、畑に適さなかった場所にも川から水を引いてコムギを栽培するようになり、農地や人々の生活の場が拡大していきます。このように農業、都市が次第に大きくなって、文明が栄えるようになります。西アジア地方は「肥沃(ひよく)な三日月地帯」とよばれるメソポタミア文明が栄えました。



現在、パンやめん類に広く使われ、世界中で栽培されているコムギは、普通系コムギという種です。この普通系コムギの祖先がどのようなコムギで、どのようにして生まれたかはナゾでしたが、1944年(昭和19年)に、日本の遺伝学者木原均博士によって解明されました。木原博士は、野生種の一粒系コムギにクサビコムギが自然に交配して二粒系コムギができ、紀元前5000年頃、これにタルホコムギが混じり合って、普通系コムギが誕生したことを発見しました。このように、コムギの先祖は野生のコムギでしたが、野生コムギが自然に交配して、現在の普通系のコムギになったのです。